CAI MEDIA PRODUCTSiPhone App
「えいご上手」がApple Storeの殿堂入りアプリに選ばれるなど、弊社の英語学習アプリが軌道に乗り始めたころ、社内で「子供向けアプリを企画しよう」という話が上がり、産後職場復帰して半年だった私は不安もありましたが、ぜひ携わりたいと申し出て開発がスタートしました。
当時はまだ、スマートフォンやタブレットは大人が持つものという風潮だったため、このタイミングで子供向けアプリを出していくのはある種、試験的な意味合いでもあったのですが、長年子供向け教育ソフトを作り続けてきた弊社の使命感というか、近い将来必ず教育現場でタブレットを使う日が来ると先を見据えたプロジェクトでした。
企画担当:末永
子どもと言っても幼児から高校生まで成長過程は様々ですが、なぜ幼児向けにしたかというと、ひとつは、スマートフォンのメインユーザー層(20代後半~40代)を親とすると、その子供は幼児~小学生が多いということ、2つ目は、幼児の言語習得過程が語学を学習する上でとても役立つからです。当時2歳だった娘は私にたくさんのヒントをくれました。
娘が知らない言葉に出会った時、その言葉がどんなシチュエーションで使われるのか直感的に考えているように見えました。仲間になる言葉、反対の言葉、イメージする色、音など、自分の知っているものとの関連性を探し、理解していたのです。例えば「甘い」という言葉を初めて聞いた時、バナナ、リンゴ、おいしい、モグモグ、それらからニュアンスを感じ取って行くように。
「さわってえいご」のフラッシュカードを連想型にしたのはそんな経験からです。
幼児向けアプリなのでまず、とにかく楽しんでできることと、直感的に操作できることにこだわりました。絵本のページをめくるようなワクワク感とスマートフォンならではの“動かせる楽しさ”を楽しんでいただけたら嬉しいです。
また、娘がスタンプやシール貼りが大好きだったので、ごほうび機能として取り入れたところ共感していただけたようで、とても多くの方に「シールがもらえるのがうれしい!!」とご好評いただいています。
開発を進めながらも、私にはずっと引っかかっていたことがありました。それは、“幼少期に電子機器を使わせることについて”です。
砂利道できれいな石を見つけた時、ダンゴ虫を触ったら丸くなった時、それだけで満面の笑みを浮かべている、まだ言葉をしゃべり始めたばかりの2歳の娘にアプリをさせたいかと聞かれたら、親としてはNOと答えます。でもほんの少し、家事をしている間だけ何かに集中してくれたら。テレビを見せるのと同じ感覚でならいいのかな、とも思います。1日中つきっきりで子守りをしていた経験があるからこそ、そう答えられます。
きっと同じように思っている親御さんがたくさんいるはず。安心して、させてもいいなと思えるものを作りたいと思いました。
娘に試作を見せた時、石を見つけたのと同じ目で、私に答えをくれました。もちろん方針はご家庭によって様々ですが、私はこのアプリをノートやペンと同じ1つのツールとしてとらえています。